eVY1 ShieldをiPadでいろいろするシリーズ。eVY1シールド(eVY1 Shield)のユーザーがすぐに遊べるように「MIDI Designer」用レイアウト(定義ファイル的なもの)を公開してみます。eVY1シールドを買ってはみたものの「プログラミングとかめんどくさい」とか言って放り出してしまった方、これで手軽に演奏が楽しめますよ。たぶん。これでおもしろい動画が増えることを期待しつつ……。
「MIDI Designer」はiOSでカスタムMIDIコントローラーが作成できるアプリ。App Storeから無料版のLiteがダウンロード可能。iPadとの接続には、Apple iPad Camera Connection KitとかLightning – USBカメラアダプタが必要。あと、USBケーブルも。それらがある前提で以下の動画をどうぞ。
eVY1 Shield – MIDI DESIGNER layout – eVY1シールドとiPadで歌うキーボード
使い方の概要はこれでだいたいつかめるかと思います。
無料版の「MIDI Designer Lite」は広告が画面真ん中に表示されるので、それを避けながら操作することになります(動画でも無料版を使用)。面倒なら下のリンクから有料版「MIDI Designer Pro」をどうぞ。
レイアウトのダウンロードは別ページ。下のリンクから。
NSX-1 / eVY1 Shield Layout for MIDI Designer(リンク切れ、ファイル探し中)
ダウンロードっていうか、iPadのSafariで上記ページ内のリンクを開くとMIDI Designerがそれをロードして開きます。あらかじめMIDI DesignerをインストールしたiPadでどうぞ。iPhoneのSafariだとスマートフォン表示になってるかもしれないので(ココログの仕様)、画面一番下の「PC表示に切り替え」てからどうぞ。
このレイアウトでできること
画面上のタブでページの切り替えが可能。ページは左右異なるものが表示でき、各ページで異なるコントロールが行えます。
最初に表示されるのは、左が「pho1」と右が「pho2」どっちも文字入力をメインとしたもの。操作は見たまんま。pho1の一番下の「Append」ボタンで文字追加モードになります。「eVY1シールドで歌うキーボード、五十音ボタン増やしまくり版」とかも読んでください。あと、長い文字を入力した例として「さくらさくら」も1行ごとにボタンを分けて入れてあります。Wikipediaとかで音程確認してください。
「LED」ページではeVY1シールドのLED表示のモードが切り替え可能。傾きでコントロールできたりも。詳しくは「eVY1シールドでLEDチカチカ、iOSの加速度センサーで」参照。
「DoReMi」ページは、各鍵盤でドレミを発音するもの。文字入力は不要。学研の「歌うキーボード ポケット・ミク」が持っているモードとたぶん同じ。「eVY1シールドとMIDI Designerで「ドレミ」で歌う。1ボタンにノートと複数のSysExを割り当てる」もどうぞ。たまに発音しないことも。
「keyb」ページは複数の1ページに鍵盤を用意するテスト。それぞれ別のチャンネルを割り当て可能。プログラムチェンジで音色変更も可能。チャンネル1はeVocaloid専用なので音色変更は不可。リバーブ、コーラスの量の調整も用意。
「console」は16チャンネル分の音量フェーダー、エフェクト3種のセンド量を用意。エフェクトの細かいパラメーター調整は今回は割愛(説明も面倒そうなので)。
改めて書きますが、このレイアウトを試すには以下のアプリが必要。リンクからApp Storeへどうぞ。
以下、遊ぶ分には関係ない話。レイアウトをもっと演奏しやすく改変したいなど、エディットしてみたいという人のみどうぞ。
MIDI Designerの基礎知識
MIDI Desginerを使ううえで知っておいたほうがいいかもしれないいくつかの事柄。
MIDI Designerは有料版のProと無料版のLiteがラインナップ(ほかにもあるけど、汎用じゃないので割愛)。Liteには広告が入ります。
画面上にボタンやフェーダー、ノブを配置して、ノート(音程情報)や各種コントロール情報をMIDIデバイスに送ります。これらの配置をまるごと保存するのがレイアウト(Layouts)。画面中央の「more」ボタンからアクセスできる「Config」ダイアログの「Actions」タブ(?)でセーブやロードができます。
レイアウトの作成・編集は「more」ボタン、「Design」ボタンとタップして、デザインモードに移行して行います。これを「Exit Design Mode」ボタンで抜けると、演奏や各種コントロールができるようになります。
レイアウトは、複数のページ(Page)とバンク(Bank)で構成。
ページはSafariのタブのように横並びで表示され、切り替えが可能。iPadでは左右に異なるページが表示できます。ページごとにボタンやフェーダーなどを配置することで、このページは演奏用、このページは音色の設定用と分けて使うのが基本(たぶん)。
で、ページの並びはバンクとしてひとまとめにすることが可能。バンクは最大8つまで使用できます。また、1バンクにつき最大で6ページを入れることができます(iPad 2の場合。Retinaでは違うかも)
今回のレイアウトでは1バンク、6ページのみを使用しています。
ページは単独でもセーブ&ロードが可能。複数作成したページをまとめて保存するにはレイアウトを保存するだけでOK。
すでにページがある状態でレイアウトをロードしようとすると、現在の状態に追加するかどうかが尋ねられます。追加する場合は、新たにバンクが追加され、そこに展開されます。
iPad版ではレイアウトのサンプルが2種類ありますが、特定の機器向けなので、あまり使えない印象。
ボタンやフェーダー、ノブといったパーツはコントロール(Control)と呼びます。コントロールをダブルタップするとパラメーターの変更が可能。ページの追加や編集、セーブなどはタブのダブルタップ。
ボタンの形状は矩形(角丸)のほか、鍵盤の形も用意。白鍵のC/F、D/G/A、E/B、そして黒鍵の計4種類があります。
各コントロールには、ノートやコントロールチェンジ、システムエクスクルーシブなど、各種MIDIメッセージを割り当て可能。
あるコントロールの動作で別のコントロールのパラメーターを指定することも可能(Supercontrol、Subcontrolを使用)。たとえば、スライダーでMIDIチャンネルを指定、それにしたがって、ノートやボリュームなどのチャンネルを切り替える、とか。
レイアウトのやりとりはiTunesを経由するしかないとばかり思ってたんですが、最近になってメールで送るとか、Webページにリンク貼ってURLスキームで直接アプリ開けるってことを知りました。それがわかったので、今回の公開にいたりました。いまさら。
どうやってレイアウトを作ったか
ハードウェアのMIDI音源のエディット経験があれば、多くの機能はすぐ把握可能なはず。チャンネル指定をSupercontrol、Subcontrolを使うのがちょっとむずかしかったところ(それについては以前ちょっと書いた)。
面倒だったのはやはり文字入力。1つ1つボタンを作成(Make Similarで複製はできる)。各ボタンにヤマハが公開しているウェブアプリケーションでシステムエクスクルーシブを送信、Learnで覚えさせます。VSTプラグインをハードウェアでコントロールする際によくあるあれ。
作成当時は「じぇ」など「ゃゅょ」以外の拗音が割り当てられてなかったので、1つ1つ16進数で打ち込んだ記憶が(つい先日のアップデートですべてカバーされた模様)。
ボタンごとにシステムエクスクルーシブを送って記録させると、1文字ずつの発音になる。そこで、追加(Append)していけるよう一部パラメーターを別のコントロールで上書きできるようにします。システムエクスクルーシブのダイアログで「L」を入れて、これをスライダーで変更できるように。スライダーは16と17(16進数で10と11、10がreplace、11がappend)のトグルにして、スライダーはボタンで切り替えるように。これもSupercontrolを使用。これを思いつくのにすごく時間がかかった覚えが。ここまでの流れはYouTubeのプレイリストでも。
そんなこんなで。
これですごい演奏見せてください
とにかく、レイアウトの作成には手間と時間がかかりましたが、これを使って演奏を楽しむのはカンタンです。ぜひ、これを使って超絶シンギングをプレイ、その模様を録画して見せてもらえるとうれしいです。
あと、これがそのまま学研「歌うキーボード ポケット・ミク」で動いたら楽しいな、とも思ってます。
では、よろしくお願いしまーす。
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