『ウォッチメン』の世界観がとっても恐ろしく構築されていたけど、サウンドトラックもすんごいよかったよ

 おもしろかったよ。よくぞここまで詰め込んだな、というのが第一の感想。
 2時間半という上映時間は長いっちゃながいけど、その意味がある。ちゃんと描きたいなら、長くなることを恐れてはいけない。と、日本映画にも言ってやりたくなった。
 では、ネタバレしない方向で書く。
 WATCHMEN ウォッチメン Official Film Guide (SHO-PRO BOOKS) (SHO-PRO BOOKS)Amazonにあったガイド本のレビューには「原作を知らないとかなり難解」なんて書いてあったけど、ぜんぜんそんなことはなかった。
 ほとんど予備知識なしで臨んだ(トレイラーさえ見てない)んだけど、むずかしいとは思わなかった。「あれ?」と思ったところは、のちのちちゃんと説明してくれる。
 この世界で起きていることがリアルなものとして認識できる。
 「スーパーマンとかバットマンとかスパイダーマンが次々と殺される。犯人は誰か?」とかいう話じゃぜんぜんなかったよ(あたりまえ)。
 それでもここに出てくるヒーローも彼らと同様、注目せざるを得ない。個々のヒーローたちはひどく魅力的で、どうしようもなくて、憎むべき部分もあるような人物ばかりだ。
 映像もうっとりするような、ちょっと特殊な色とざらつき感じ(けっして粗いわけではないと思うんだけど)。それによりバイオレンスが際立ったり、CGが浮いちゃったりとかを軽減できたりしてる感じ。
 見たことのない世界が広がっている。
 スターウォーズ エピソード3やロード・オブ・ザ・リングとかでCGはもういいや、とか思ったけど、それらとも違う世界。CGっちゃCGなんだけど、質感が違う。
 まあ、そのCG以外の部分での独自性に目が釘付け。CGと思ってないところもCGな可能性も否定できないけど。ニューヨークの町並みとか、それはすごいんだよ。暗い映像ばかりが続くけど、そこも魅力だ。
ウォッチメン あと、挿入される70年代、80年代の音楽! これがすごく効果的。MTVファンなら歓喜! って感じかも(いまひとつその年代じゃないのでわからないけど)。実際、エンドロールにMTVのクレジットがあった。TV画面に映ってた?
 とにかくあんまりよかったので、サントラを買おうと思う。普通にアメリカのヒット曲アンソロジーとして聴いてもいいかもしれない。曲目は最後に列記しておこう。
 しかし、このサントラCD一番気になったあの曲が入ってないじゃないか!
Watchmen [Original Motion Picture Score] それから。サントラは映画オリジナル、というかこれ用に書き下ろされたものも用意されている。
 「Watchmen [Original Motion Picture Score]」というタイトルだ。こちらは曲名を見ても当然ながらまったくわからない。
 こうやって分けるのもナイスだな。よく考えてある。
 まあ、とにかく、なにも知らないで見に行っても楽しめることは保証します。ただ、残酷描写が苦手な方はやめたほうがいいかもしれません。
 アクションあり(これが意外と迫力満点)、バイオレンスあり、ラブロマンスあり、エロスあり、葛藤あり、SFあり、ミステリーあり、政治サスペンスあり。まあ、いろんなものがつまっている。DVDじゃなくて映画館で見るべき映画。なんか、すごく贅沢な気分が楽しめました。


じゃあ、ヒット曲満載のほうの曲リスト。
廃墟の街/マイ・ケミカル・ロマンス
アンフォゲッタブル/ナット・キング・コール
時代は変わる/ボブ・ディラン
サウンド・オブ・サイレンス/サイモン&ガーファンクル
ミー・アンド・ボビー・マギー/ジャニス・ジョプリン
ブギー・マン/KC&ザ・サンシャイン・バンド
ユアー・マイ・スリル/ビリー・ホリデイ
プルート・イゴエ&プロフェシーズ/フィリップ・グラス
ハレルヤ/レナード・コーエン
見張り塔からずっと/ジミ・ヘンドリックス
ライド・オブ・バルキューレズ/ブダペスト・シンフォニー・オーケストラ
パイレート・ジェニー/ニーナ・シモン
 映画館はよくあるシネコン。一番狭いスクリーン。タイミング的にはこんなもんか(上映開始からちょっとたってる)。
 観客は10人程度。まあ、平日夜じゃこんなもん。
 日本の公式サイトはとっても貧弱なんだけど、アメリカのほうの充実度はすごい。
 壁紙とか、ポスター(PDFで高解像度!)とかアイコン(GIF)とかもダウンロード可能。
 アクセスするたびに、違うキャラクターがランダムに紹介される(もちろん、好きなキャラクターにすぐに飛べる)。
 このへんのコンテンツも日本語化ってできないんですかね?

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