京極夏彦による作、主演は江口洋介。
「永遠の幸せ」が得られるとかいうホテルに向かった男の話である。なんでもそのホテルに泊まると巨額の富が得られるとかなんとか。それを聞いた元実業家らしい現在はホームレスの男が江口洋介だ。タイトルは「いやな扉でも」「嫌な扉」でもなくって「厭な扉」。
で、この話。途中でオチがわかってしまう。
というのも。これとほぼ同じ話を知っているからだ。というわけで以下ネタバレあり。注意。
この話。骨格はほとんど手塚治虫の「火の鳥 異形編」だ。
「嫌な扉」では最後のシーンだけが違うといえば違うか。
「これで165回目だ!」
主人公がループに気づくのは自分自身によって撃ち殺されるシーン。死ぬ直前だ。気づくというよりは思い出すのか。
一方、「火の鳥」では途中で気づくのだが、その運命からは逃れられないことを悟り、知ったうえで同じことを永遠に繰り返す。
これを最初に読んだのは小学生のころだったと思うのだが、とてもおそろしくなったのを覚えている。
まあ、両者は時代がまったく違う(一方は現代、他方は貴族と武士と刀の時代?)し、登場人物の立場も違う。でも、自分が自分に殺されるというループ構造はまったく同じだ。こんなに似ていていいのかというくらい。
これ、「火の鳥 異形編」の前にも同様の話があるのだろうか? というのも。京極夏彦が「火の鳥 異形編」の存在を知らないはずがない。知っていてそのまんまの話をやるというのもどうかと思う(京極夏彦は手塚治虫よりも水木しげる派なのはいうまでもない)。
今回の「嫌な扉」と「火の鳥 異形編」ともに、ある別の話が元になってたりするんじゃね? もっと昔にこれの本家みたいな小説なり映画なりがあって、2作ともそれへのオマージュなんじゃないか? という話をいっしょに見てた家人としてたのだが。さて、どうなんだろう? 知ってる方がいたら教えてください。
(追記)
これを書いてすぐ気になって検索。「京極夏彦 厭な扉 火の鳥 異形編」でググったら、このエントリが出てきた。ただいま、23時14分。こわー。Google、反映早すぎ。
で、このドラマの原作は「厭な小説」に掲載されてるやつなんですかね? これ、未読でした。あとで読みます。
(追記その2)
「火の鳥」は手塚治虫全集で持っているのだけど、こちらはどの巻にどの話が載ってるのかがぱっと見わからない。1巻、2巻とかついてるだけだから。ということで、まとめてみた。
少女クラブ版 | エジプト編・ギリシャ編・ローマ編 |
1,2 | 黎明編 |
3 | 未来編 |
4 | ヤマト編・宇宙編 |
5,6 | 鳳凰編 |
7 | 復活編 |
8 | 復活編・羽衣編 |
9,10 | 望郷編 |
11,12 | 乱世編 |
13 | 生命編・異形編 |
14-16 | 太陽編 |
ちなみに、全集の通し番号でいうと、1巻が201、13巻が362。12巻と13巻の間で数字が飛んでいるのは、全集の発売タイミングが違うからか。最終巻でも昭和なんだよな。そういえば。忘れてた。表作成には「ブログ用表作成(オンライン テーブルエディタ) 」を使用。
コメント