俺流amazonの作り方。
なんともすごいタイトル。まあ、Amazonそのものを作るわけじゃなくってサブタイトルにあるように「Amazon Webサービス 最新活用テクニック」ってことで。APIが公開されているAmazonのデータベースを使って、自分好みのサービス(を備えたサイト)を作ろうっていう本だ。
Amazonにリクエストを出して、返ってきたレスポンスを見やすいように(使いやすいように)プログラムで整形してWebページとして出力する。これが基本。
そのリクエストの要となる、Amazon Web Services(およびE-commerce Services : ECS)の基本(RESTの組み立て方)が詳しく解説されている。
この手の情報はWebでも多く見つけることができるが、順を追って丁寧に書いてあるので初心者でもわかりやすいと思う。AWSのレスポンス例が載っているので、わざわざリクエスト出して、レスポンスを見て、っていう試行錯誤が最低限に抑えられるはず(まあ、その実際に試すってのが大事だったりもするんだけど)。日本語である、っていうだけでも読みやすさはぜんぜん違ってくるし(本家含めて海外のドキュメントはたくさんあるけど、長文読むのはつかれる、っていう俺にはたいへんありがたい)。
また、こうした情報がわかったとしてもプログラミングがそもそもわからないんだよ、って人にとっては最高の参考書になるはず。というのも、実際のサイト構築に使えるプログラムリストがしっかり掲載されてるから。使用されている言語はPerl。プログラミング経験のまったくない人にはまだこれでも難しいと思うけど、Perlの基礎がある程度わかればなんとか応用がきく範囲だと思う。また、Webサービス用としてはPHPのほうが習得しやすいのに、って声もあるかもしれないけど、PHPがPHP4からPHP5への移行期だということ、国内の多くのレンタルサーバーがPHP4のみであること、PHPはライブラリ関係のインストール状況がこれまた各レンタルサーバーサービスで違うこと(それによって、プログラム内容は大きく変わる)ということなどを考えれば、仕方ないだろうなあ、と思う。
筆者のブログによれば「ブログでアフィリエイトを行う場合、常に更新を行って情報を追加していかなければなりませんが、サービスを作ってうまく放置できる仕組みを作れば、後は寝ていても勝手にサービスが仕事をしてお小遣いが入ってきてしまいます。」とあるのだけど、ほんとにそんなにうまくいくかなあ? というか、そんなに儲かってるのかなあ、この人。なんて思ったりするけど、希望は持てるのは確か。そんな内容。
で、昨年10月からListLookupでWishListが取得できない件についてはなんか書かれてるかなあ、と思うとぜんぜん触れられていない。3月発売の書籍としてはどうなんだろ? と思ってさらに読みすすめると。アメリカのAmazonでは搭載されてるけど、日本ではまだ、っていう機能の紹介のとこで「2005年10月の時点では」っていう記述がある。あー、じゃあ、この本の情報は不具合が出る前の状態なのかあ、と納得してみたり。まあ、こういうのは執筆から出版まで時間がかかる書籍ではしょうがないのかなあ。なんか、アフターフォローみたいなのをしていただけないものかなあ、などと思ったり。まあ、そういうのはAmazon本家にしろって話だけれども、公式のフォーラムも放置されてる状態だからなあ。いや、なんかこっちが勘違いしてるのかもしれないけど。でも、改善されたっていう話もぜんぜん聞かないしなあ。
あと、この本。帯に見える部分が実は帯じゃない。こういうアートワークにもびっくりしていきたい。なんつって。にしても、すんごい役立つ本だと思った。これがこれからのAWS利用者のスタンダードになると思うな。Goodpicさんの情報に続いて。いや、ほんとに。大事なことを隠す方向が出てきている中、ここまであけすけにした本はないと思う。さすが、いい会社に転籍した人は出す情報が違う。
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