GibsonがCakewalkを買収

 びっくりなニュース。氏家さんのTwitterで知る。Gibson、Cakewalkからプレスリリースが出ている。
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Gibson Brands Announces Intention to Acquire Cakewalk Inc.はてなブックマーク - Gibson Brands Announces Intention to Acquire Cakewalk Inc.
 Cakewalkを持っていたローランドと合意した、みたいな話が書いてある。Twitterで検索すると、「ローランドが買収された」と、言っている人もいるのだけど、プレスリリースにはそんなことは書いていない(と思う)。
 でもって、今後はTASCAM Professional Softwareが、Cakewalk製品のサポートやプロモート、販売(publish)を行うという。TASCAM(というかTEAC/ティアック)は今年の3月にGibsonの傘下になっている。
ギターメーカーの米Gibsonがティアックを子会社化 -AV Watchはてなブックマーク - ギターメーカーの米Gibsonがティアックを子会社化 -AV Watch
 これまでCakewalkブランドでハードウェアを出してきたローランドはどうなるのか? そういえば、最近のオーディオインターフェイスからCakewalkブランドは外されてたんだっけ? でもって、Cakewalkブランドのオーディオインターフェイスなどのハードウェアは今後TASCAMから出るわけなのだな。
 Cakewalkのメインの製品であるDAWソフトウェアSONARもローランドの技術がかなり入っている。音程補正のV-Vocalはもちろん、昨年のメジャーバージョンアップでR-MIXまでSONARに取り込んでいるのだ。今後はそれらがSONARの機能から外されることになるのだろうか?
 また、一方、SONARはギターアンプシミュレーターを他社から調達してきていたという歴史もある。Native InstrumentsのGuitar Rig、IK MultimediaのAmpliTube(これはMuisic Creatorだけだっけ?)と移り、現在はOVERLOUDのTH2のスペシャルバージョンみたいなのが付属している。Music CreatorにはStudio Devilのやつがついてたこともあったか。とにかく、ギター関連の機能をなんとかしたい思惑があったのかもしれない。しかし、Gibsonはこういう技術を持っているのか?
 ローランドはFenderとの関係が強い。V-GuitarはFenderとの協力により実現したギターだ。ローランドが日本で行うSONAR関連のイベントでは、CakewalkのスタッフがV-Guitarを使ってデモをしていたはず。そんなCakewalkが今度はGibsonの傘下になる。単にCakewalkの偉い人が、「実はFender派ではなくGibson派だった」っていう話なのかもしれない。
 まだ国内の発表がない状態なので、いろいろこれからわかることもあるんだろう。ローランドはどういうコメントをするのだろう? そして、TASCAMは? Gibson Japanは?
 ICONのFacebookでも取り上げられていた。概要はこれがわかりやすいか。
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 Gibsonのソフトウェアメーカーの買収というとVisionのOpcode買収を苦い思い出として持っている人も多いはず(Vision、Studio VisionはGibsonによる買収後、バージョンアップされることなく、最後にはフリーで配布されることになったと記憶している)。SONARユーザーが悲しむような結末だけは勘弁だなあ。
 ローランドからもリリースが出てた。PDFだ。
米国連結子会社の株式譲渡に関する基本合意書締結のお知らせ


 そこには「当社が保有する全株式を譲渡することに関して、Gibson Brands, Inc.(以下、Gibson社)との間で基本合意書を締結いたしました」とある。
 株式譲渡の理由として、以下が挙げられている。

 当社はコンピュータ・ミュージック市場において、1995年よりCakewalk社の音楽制作用ソフトウェアの販売を開始し、当社のハードウェアとの組合せにより事業を拡大してまいりました。しかしながら現在では、市場ニーズの変化等により、当社グループの中においてCakewalk社の継続的な事業拡大は難しい状況にあります。そのため当社は現在進めております事業構造改革の一環として、事業拡大を進めるGibson社の下で事業運営を図ることがCakewalk社の成長・発展に寄与するとの判断に至り、本基本合意書を締結することといたしました。
 Gibson社は、平成25年5月にTASCAMブランドを展開するティアック株式会社(本社住所:東京都多摩市)を子会社化しており、Cakewalk社製品はTASCAMブランドとして展開する予定です。株式譲渡後も当面は、当社がCakewalk社製品の販売・サポートを継続し、Gibson社側の販売・サポート体制が整った後に、順次、移管する予定です。一方、当社は自社の強みに特化した上で、引き続きコンピュータ・ミュージック関連機器事業を展開してまいります。

 うーん。そんなに厳しいのか、ローランド。 
(追記)
 今後のサポートについてもローランドからアナウンスが。
Cakewalk 社製品の今後の販売とサポート体制について :: お知らせ :: サポート :: ローランドはてなブックマーク - Cakewalk 社製品の今後の販売とサポート体制について :: お知らせ :: サポート :: ローランド

平素は弊社製品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
本日 2013年9月24日付のニュースリリース「米国連結子会社の株式譲渡に関する基本合意書締結のお知らせ」につきまして、Cakewalk 社の製品販売とサポート体制に関し、以下の通りお知らせいたします。
当面は弊社が Cakewalk 社製品の販売、ならびにお客様サポートを継続いたします。
Gibson Brands 社側の販売体制が整った後、順次移行する予定です。
今まで弊社製品をご愛用いただいた皆様に、可能な限りご不便をおかけしないように対応いたします。
今後とも、ローランドならびに Cakewalk 製品をよろしくお願い申し上げます。

(また追記)
 TASCAMブランドでCakewalkブランド製品が展開される。そういえば、TASCAMはGigaSamplerを前身とする当時人気だったソフトウェアサンプラーGigaStudioのNemeSys Music Technologyを買収していたという過去があった。そして、その後、Gigaはサポートも開発も止まってしまった。
 Visionみたいにならないといいな、という発言がTwitterですんごい多いんだけど、「Gigaみたいにならないといいな」っていう発言もこれから出てくるかもしれない。と、思って調べたら、すでにいっぱいあった。
(またまた追記)
 ITmediaにもニュースが。Yahoo!ニュースにも転載されている。特に新しい情報はないけど、メモ。
ローランド、音楽制作ソフト「SONAR」のCakewalkを売却 Gibsonに – ITmedia ニュースはてなブックマーク - ローランド、音楽制作ソフト「SONAR」のCakewalkを売却 Gibsonに - ITmedia ニュース
(またまた追記)
 最初に書いた買収利用についての想像は、ローランドの資料にある赤字を見ると、妄想にすぎなかったなあ、という結果。なんといってもCakewalkの赤字が大きい。ローランドはCakewalkのSONARとの相乗効果でオーディオインターフェイスなどを売ってきたという面があると思うので、そっち関連の製品は今後落ち込むことが予想されるんですが、どうするんでしょう。ギター関連が伸びてるからなんとかなるのかなあ。
(19:20追記)
 AV Watchにも記事が。
ローランド、「SONAR」などのCakewalkをGibsonに譲渡。「TASCAM」ブランドに – AV Watchはてなブックマーク - ローランド、「SONAR」などのCakewalkをGibsonに譲渡。「TASCAM」ブランドに - AV Watch
 ティアックからのリリースも出た模様。以下はPDF。
ギブソン社(当社親会社)によるCakewalk 社の株式取得(子会社化)に関する基本合意
(23:00追記)
 ローランドのプレスリリースには、売却とも買収とも書いてないことに気づいた。「譲渡」とだけ。金額を出したくないからっていう意味だけなのか、なんなのか。ティアックのには「譲受」とある。そっち関連の言葉はわかんないや。日本語すらわからないので、Gibsonの英語のリリースも読める気がしない。

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