この夏最もビッグなニュースはこれだろうな。
「米が731部隊に現金」
まあ、手元の帰省先の新聞を見ながらタイトル写したわけですが。東奥日報の8月15日朝刊から。
第二次大戦中に中国で細菌による人体実験を行った旧関東軍防疫給水部(七三一部隊)の関係者に対し、連合軍総司令部(GHQ)が終戦二年後の一九四七年、実験データをはじめとする情報提供の見返りに現金を渡すなどの秘密工作を展開していたことが十四日、米公文書から明らかになった。
人体実験で三千人ともいわれる犠牲者を出した同部隊をめぐっては、GHQが終戦直後に戦犯訴求の面積を約束したことが分かっているが、米国が積極的に働きかける形で資金工作を実施していた事実が判明したのは初めて。
などとある。Yahoo!ニュースで検索すると、これまた奇遇にも同誌の「731部隊」という記事が出てくる。
731部隊についてはいまだに謎が多く、横溝正史の『悪魔が来たりて笛を吹く』のモデルとなったといわれる帝銀事件にもかかわっていた、という説があったりする(おととしくらいのビートたけしが出る10ch年末番組で見ました)のだが、こういう噂が生み出されるのにはそれだけの不穏な行動とそれにまつわる市井の人々の不安が当時存在したということなのだろうと思う。
最近の作品では京極夏彦の人気シリーズ小説、いわゆる『京極堂シリーズ』(あるいは『妖怪シリーズ』においても、『魍魎のは匣』(もうりょうのはこ)などで、主人公が同部隊に関係していたという発言があったことを記憶しているのだが、ほかにもこういう小説は多いはず。
731部隊の全貌が明らかになることはないと思われるが、これからの数年でいくつかの事実が新たにあかるみにでるようなことがあれば、こうした戦中、戦後を部隊にした小説(とくにミステリ)のつじつまが合わなくなる(あるいはリアリティが失われる)ことがあるかもしれない。
まあ、そういう不安が世に蔓延していた記録でいいじゃん、と思わないまでも、その時代の描写におけるおもしろさは変わらない、というのが真実なんだろうけども。わざとめんどくさい言い回しで書くテスト。
コメント
731部隊恐ろしや~~