告発と告訴の違い、告訴と訴訟の違い

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気になったのでちょっと調べた。

告発・告訴と訴訟の比較と関係

「告発」「告訴」「訴訟」は、それぞれ日本の法律手続きにおける異なる役割を持つ言葉です。特に「告発」と「告訴」は刑事手続きの端緒(きっかけ)となる行為であり、「訴訟」は裁判の段階を指します。

1. 「告訴」と「告発」の違い(刑事手続の開始)

両者は、いずれも「捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める」意思表示ですが、誰が行うかという主体が決定的に異なります。

項目告訴(こくそ)告発(こくはつ)
行う主体告訴権者(被害者本人、その法定代理人、被害者死亡時の親族など)に限定される。告訴権者や犯人以外の第三者(誰でも)が行える。
対象告訴状を受理した捜査機関は、捜査を行う義務が生じる(刑事訴訟法第242条)。告発状を受理した捜査機関は、捜査を行う義務が生じる(刑事訴訟法第242条)。
親告罪への影響親告罪(名誉毀損など)の犯人を起訴するために不可欠である。親告罪の場合、告発だけでは起訴できない(告訴が必要)。
期間制限原則として、犯人を知った日から6か月以内(性犯罪などを除く)など、期間制限がある場合がある。原則として、期間制限はない。

2. 「告発・告訴」と「訴訟」の関係

「告発・告訴」が捜査開始の段階を指すのに対し、「訴訟」は裁判の段階を指します。

【刑事手続の流れ】

告発・告訴 → 捜査(警察・検察) → (不起訴 or 起訴) → 刑事訴訟(裁判)

項目刑事訴訟(けいじそしょう)民事訴訟(みんじそしょう)
目的犯罪行為を行った者に対し、刑罰(懲役、罰金など)を科すこと。犯罪行為による損害の賠償や、契約違反など、個人間の権利・義務に関する紛争を解決すること。
当事者(検察官)が、犯罪を行ったとされる被告人を相手に起こす。権利を侵害された原告(被害者など)が、相手方である被告を相手に起こす。
刑事告訴との関係告発・告訴は、この刑事訴訟が始まる前の捜査のきっかけとなる手続きである。刑事手続とは目的が異なるが、刑事裁判の結果(有罪の事実など)は、民事訴訟での証拠として利用されることが多い。

3. 要点のまとめ

  • 告訴・告発処罰を求める意思表示(警察・検察へのアクション)。
  • 刑事訴訟刑罰を科すための裁判(国 vs. 犯人とされる者)。
  • 民事訴訟損害を回復するための裁判(個人 vs. 個人)。

インフォグラフィック

Geminiにインフォグラフィックも生成してもらった。リンクをはっておく。

告発・告訴と訴訟

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