『グエムル』ですべての感情を垂れ流す

 『グエムル -漢江の怪物-』。予告を見て、これは観なくちゃ、と思ってスルーすることが多い昨今だけど、今回はなんとか見た。いやあ、すばらしかった。ネタバレしない方向で書く。
 いきなり冒頭から怪物が出てくるところはモンスターパニック映画、怪獣映画のセオリーをまったく無視。韓国では初となる怪獣映画、とテレビで監督のポン・ジュノがいってたけど、そういうセオリーはまったく関係なく作れるのはそれはそれでいい方向に向かったんだろう。
 怪獣映画といえば、軍とかが出てくるんだろうけど、それもない。怪物に立ち向かうのは娘を怪物にさらわれた神無月に似た親父とその父と弟妹だ。まあ、見方を変えれば父親と3人の兄弟と長兄の娘だ。
 TOKIOの松岡も出てこなければ、新山千春も出てこないし、長澤まさみ や 大塚ちひろ も出てこない。ましてや前田愛や高嶋政宏だって出てこない。当然ながら沢口靖子も出てこないんだ。
 で、人間ドラマだ! とかいうようなしょぼい雰囲気ではない。確かにモンスターパニック映画にはなっている。すぐ家族愛、だとかいう感じにもなるけど、それとも違う気がする。ヘンな感じだ。こういうのは今までなかったな。


 とにかく、泣いたし笑ったし、いろんな感情ががんがんゆさぶられる感じだった。
 怪物登場のシーンはけっこうびっくりするし。急に出てくるシーンがいっぱいあって、そのたんびにびくっとなる。ノミの心臓といわれているんだ。俺。
 ところどころに入ってくるギャグが独特。泣かせるシーンだなあと思ってみてると突然ギャグになる。たぶん。
 というのも。
 韓国の人のメンタリティってのを理解してないのもあるんだろうけど。メンタリティじゃなくって感情の発露のさせ方か。すんごいアクションで泣くんだよ。これが。でもって、それはやりすぎだろ、って思うけどそういう文化とか慣習の違いからくるものかと思って、そういう違和感を排除しようとして観ようと思ってると、実はやっぱりそれは行きすぎであり、そこからギャグシーンにつながってる、という感じ。いや、見ないと理解できないか。そういうのがいくつか。泣いたそばから爆笑してる自分がおかしかったよ。
 で、主役となる長兄を演じるソン・ガンホがいい感じで太っただめな中年。その弟がこれまた別の方向でだめなやつ。大学は出たけども、みたいなことを言われてる。見た目はかっこいいんだけども。唯一ちゃんとしてるのは妹(ペ・ドゥナ)。その父は長兄と暮らしているのだが、どっちかというといい年の息子の面倒をいまだ見なくてはいけないみたいな立場。そして、みんなから愛されている長兄の娘コ・アソン。
 で、やっぱり二人の女優が光るのだった。かっこよすぎるよ、ペ・ドゥナ。かわいすぎるよ、コ・アソン。最初はそれほどきれいでもかわいくもない女の子だと思ってみてたんだけど(二人とも目がはなれている)、最後にはもうすんごく好きになりました。終わり。
サイン とりあえずはこんくらいで終わりにしておく。早く友達がこの映画観てくれないかと思う。映画について人と語りたいほうだし。あれはあーいうネタだろう、とか、あそこはああいう解釈でいいのか、とか。シャマランの『サイン』観たときと同じ感じか。とにかくだれかこれ観て俺と話してください。そういえば、もうすぐシャマランの新作公開だな。それも早く観たい。

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