ブラウザに機能を追加するツールバーの作成にはプログラミングの知識が必要だと思っていた。でも、最近は違うのだ。an EffectiveBrand toolbar(http://www.effectivebrand.com/)のサービスを使えば、誰でも自分(あるいは自社)用のカスタマイズされたツールバーが作成でき、簡単に配布ができるのだ。
百式の企業と個人のプロモーションで知りました。試してみたところ、思った以上にすごいのでした。Windows専用ですが、IEとFirefox(LinuxもOKらしい)で利用できます。
まずすごいのは、好きな検索エンジンを利用できること。
最初から検索ボックスが用意されていて、複数の検索エンジンを使い分けることができるのです。
設定はウィザード形式。英語だけどなんとかなります。
カスタムサーチエンジンの設定は一見難しいのですが、やってみるとけっこう簡単。
任意のサーチエンジンのキーワードに「MYSEARCHTERM」と入れて、表示された検索結果のURLを登録するだけ。
Yahoo!やGoogleなどさまざまなサーチエンジンがありますが、これで統合できるかも。
さらにおもしろいのが、リンク作成機能。リンクボタンにはURLとテキスト、アイコンなどが登録できます。まあ、早い話が見た目のいいブックマークなんですが。
実はそれだけでは終わらなくって、JavaScriptが登録できます。いわゆるBookmarklet(ブックマークレット)が利用できるのです。
CなどのWindowsプログラミングの経験がなくっても、Webデザインの経験があればさまざまな機能が追加できるのです。素人プログラマでもJavaScriptならなんとかなりそうでしょ?
でも、既存のBookmarkletをそのまま登録してもうまく動かないのでした。それ以外にもいろいろ落とし穴(言いすぎ)があります。というわけで、ちょっとしたTipsなど。
カスタマイズ検索エンジンですが、デフォルトはUTF-8。Charsetの指定ができるのですが、EUC-JPはうまくいかない模様(誰かうまくいく方法教えてください)。受け取る検索エンジン側で対処できればいいけど、自分で作ったもの(検索エンジン)じゃないとそうはいかないですよね。
リンクボタンには2種類あり。ボタンがそのままリンクになってる「Link Button」とボタンを押すとリストを表示する「Button with Menu」。Bookmarkletが動作するのは後者のみっぽい(追記:これ、間違い。どっちでもOKでした)。
BookmarkletはIEなら既存のものがそのまま使える。でもFirefoxではそうもいかない。いろいろ調べてみると。以下、一部の記号は2バイト(全角)で書いてるけど、ほんとは1バイト(半角)。いうまでもないか。
引用符は一重引用符(シングルクオーテーション)は使えない! 二重引用符(ダブルクオーテーション)にする必要がある。
バックスラッシュ(¥)は使えない。Firefoxのツールバーでは、このキャラクターは消去されてしまう模様。
よって、正規表現に注意が必要。たとえば、¥wは[0-9A-Z]とかに書き換えなくちゃいけない。
{}も使えない。JavaScriptのブロックと間違うのかな? 正規表現を使う場合は違う方法を使うしかない。
<と>は実体参照(用語自信なし)に置き換えられてしまう。forなどのループを使う場合には別の方法を考えなくてはならない。
うーん。ほかにもあった気がするけど、とりあえずこんな感じで。
Bookmarkletを公開する場合、ソースを他人に流用されることを恐れる人が多いらしい。実体がJavaScriptだと誰にでも見られるわけで、いくらでもパクられてしまう。すんごい時間をかけて作っても、パクるのは数分。ワリに合わないよなあ、と思うのもうなづける。これまで、いろいろパクって勉強させてもらってきたおいらが言うのはあれですが。企業だとそうもいかないんですよね、きっと。
でも、このツールバーなら、ソースを覗かれることはない模様。まあ、短い時間での検証なんでなんともいえませんが。少なくとも、ボタンを右クリックでソースが見られる、なんてことはないようですよ。
それから。
こういうツール。なんかスパイウェアとか入ってるんじゃねーの? 勝手にこっちの動向をサイトに送信してんじゃねーの? と思ったりもしますが。そういうことはいっさいない、と言ってます。もし、そういうことがある、と証明できたら5000ドル提供する! とまで言ってます(英語の読解が間違ってたらどーしよ)。すごい。そんだけ自信があるってことだと受け止めました。
でもって無料だし、とりあえず利用に問題はないような気がしてます。
配布用のページまで作ってくれるという、まさにいたれりつくせり。しかもそのページ。「×××.ourtoolbar.com」なんていう個別のホスト(サブドメインっていうほうがわかりやすいのかな?違うかもだけど)のURLになってます。×××はもちろん指定可能。ほかにもドメインが複数用意されてます。
それから。ツールバー作成者が機能追加(ボタンとか)しても、ユーザーの再インストールは不要。毎回インターネット経由でリフレッシュされているようです。「機能追加でバージョン変わったからインストールしなおしてね」なんていう告知も不要なんです。これもすげー。まあ、機能追加しても利用者側のツールバー更新には多少のタイムラグがあるので、動作検証はちょっと面倒ですが、それでも2分とかからないので、さほど問題はないかと。
コンパイルがいらないプログラミングの世界。クライアントサイドではJavaScript、サーバサイドではPHPやPerlなんかを使ってると、それがもう当たり前、なんて思うけれども。Windowsアプリケーションではそうはいかなかった。でも、これからは同じような方法でWindows用のプログラムが作成できるとなると、なんか違う世界が開けてくるような気がする(夢見すぎ)。
ほんとすごい。さらになんかわかったら、また書いてみたいと思います。
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