ローランド初の有償iPadアプリ「R-MIX Tab」が本日リリースされました。音を聞きながら周波数・定位・音の強さを表す画面で、任意の位置を指定、その部分の音を抜き出したり消したりするもの。指定範囲の中と外を個別に音量指定することでこれをやるんですね。
PC/Mac版の「R-MIX」に先行してiPad版の「R-MIX Tab」が出てきた理由はわかりませんが、とりあえず、買ってすぐ楽しめてます。イベントなどでPC/Mac版を触ったことはあったのですが、iPad版のさわり心地は独特。指で自由なカタチで範囲が描けます。範囲選択用ツールは大小2種類。消しゴムも2種類用意してます。長押しで範囲指定のカタチはそのままで移動。指定範囲をiPadを傾けることで移動させるという機能もあります。
iPad内のiPodライブラリ(iOS5からはミュージック、か)から曲のロードが可能(DRM楽曲は不可)。
周波数と定位で抜き出す・消すという仕様のため、同じ定位と音程さにある音はいっしょの位置に表示されます。ということでさすがにボーカルだけピンポイントで完璧に抜き出すみたいな感じにはなりませんが、リミックスの素材として使う、バッキングを自分で作るという用途ならほぼ気にならないくらいかと。これまでEQでやってたことを考えれば楽なことこのうえないです。
範囲指定は複数箇所も指定可能。指でなぞった部分が、好きなカタチでどんどん追加されていきます。PC/Mac版は矩形や円形での指定だった気がするので、これはiPad版のみの仕様かもしれません。
あと、ループ再生もできます。範囲指定は波形部分をドラッグするだけ。先にLOOPボタンを押してからでないと範囲指定できないのはちょっとほかとは違うなあ、と思いました(見つけるまで時間がかかった)。あと説明書も内蔵してるんですが、位置を覚えてくれないのが残念。アプリに戻って、また説明書に移ると表紙に戻ってるんです。これはすぐ修正されるんじゃないかと思いますけど。
PC/Mac版に搭載されるファイル出力は、iPad版では不可。速度変更とかエフェクト付加もなし。このへんは差別化かと思われます。だいたい、App Storeでは「ミュージック – ゲーム」というカテゴリになってるんですよね。
まあ、価格が850円ということで、PC/Mac版の1/10以下ですからね(未定ではありますが、16,000円くらいという話でした)。ゲーム扱いにしたい気持ちもわからないでもないですが、機能考えたら激安ですよ。
これまでは、絶対無理!夢のような機能といわれてきたボーカル抜き出しですが、これからはたった850円で手に入るわけです。しかもiPadでいつでも持ち出せる環境として! いやあ、iPad買ってよかった、と思わせるアプリの1つではありますね。実力検証は、音源作ってからまたやってみたいと思います(著作権無視して市販曲を使ったテスト結果を掲載するわけにはいきませんしね)。
以前に書いた関連記事はこのへん。
曲から特定のパートが抜き出せる?ローランド「R-MIX」がすげー: point of view point
ローランドR-MIXが発売延期、iPad版が先に出る模様: point of view point
公式の情報はこちら。
R-MIX Tab :: 製品 :: ローランド
R-MIX :: 製品 :: ローランド
動作の概要が知りたい方はこのへん。PC版のデモなんですが、音を抜き出すという部分に関してはiPadもほぼ同様です。
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