このアパートは呪われている。のか?

 打ち合わせに出かける。午後5時すぎだ。うちのアパートは玄関を出ると通路があり、そこを通って階段へ。でもって、階段の下に隠れるように郵便受けがある。階段下りて、壁に隠れた郵便受けにぐるっとまわる形になる。で、出かける前の習慣として郵便受けを見るのである。
 壁の裏側に回ると。
 おばあさんがしゃがみこんでいるのである。
 おもわず「うわあっ」と声をあげると。おばあさんも「あー」と声をあげた。
 こんなところにしゃがみこんでいるというのは尋常ではないので、「大丈夫ですか」と怯えながらも聴いてみる。あんまり言葉がはっきりと聞き取れないのだが、大丈夫なようだ。
 で、なんか一人で話はじめるのである。
「ここはもう住めないのかね?」
 まったくなんのことかわからない。ここに住みたいのか? いろいろ話しているようなのだが、なまっている(とも思われる)のと、発音がはっきりしないので、わかりにくい。
「ここでは何人も死んで」
 と、背後の建物(もちろんこのアパートのことだ)を指差す。
「ここで、ですか?」
 思わず聞き返す。
 はー? このアパートでは何人も死んでるのですか。まじですか。
 「道路は車が多くて」「歩けなくなって」「ここで休んでた」
 とかなんとか。死んでる話は唐突に終わり、自分がここにしゃがみこんでる理由を話しはじめる。
 怖くなったのと、約束の時間が迫っているということで。
「じゃあ、失礼します」
 と告げて、その場をあとにする。あっ、一応郵便受けからおいら宛の郵便をおばあさんの頭ごしに引っ張り出してから。
 すんげーこわかったのだけれども。とりあえず、仕事。夜7時半過ぎ。仕事終わってからも帰ったらあのおばあさんがいるかと思うと怖いので。無駄話をえんえん、そこの人と。まあ、今後の仕事の話をしつつなのだが。とりあえず、11時過ぎに帰宅。怖いので、郵便受けにはまわらずに。階段のぼって自室へ。
 怖い一日だった。
Amazon.co.jp: DVD: あなたの隣に誰かいる ディレクターズカット DVD-BOX なんか、あれですよ。『八つ墓村』に出てくるおばあさん(濃茶の尼)が、「この村は呪われてる」とかいうじゃないですか。『トリック』のあき竹城でもいいんだけど。『あなたの隣に誰かいる』(夏川結衣、ユースケ・サンタマリア主演、高樹マリアも出演)でもあったか。まあ、そんなのを思い出しましたよ。
 あと、自分が仕事してた雑誌がなくなった、というのを今日はじめて知りました。そのほかのレギュラー仕事も、何もない状態です。これが一番怖いです。参りました。

コメント

  1. kats より:

    気持ち悪い話だな。家に帰った時まだいたら、もっとおっかなかったろうなぁ。きっとそのアパートで死んだばあさんの霊だな。引っ越せ。

  2. 3sw より:

    ちがうよ。せっかくおいしいネタなんだから、霊能者とか霊感少女とかつれてきて、なんかやってみてくださいよ。いや、べつに霊感”少女”じゃなくてもいいんだが。

  3. point より:

    そんな知り合いがいるわけもなく。っていうか、紹介してください。不動産業者でもいいです。やっぱり引越しかなあ。うそ。もう、その人は現れないので、忘れることにするよ。

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