ギターや声でシンセ鳴らすならThumbJamだよ! 意外と知られてないpitch to MIDI

 iPhone / iPadで楽器演奏するならThumbJam! というくらい一部では人気のある音楽アプリですが、画面をタッチして音を出すだけでなく、外部からの音声入力からピッチを検出して鳴らす、いわゆるpitch to MIDI機能を備えてます(英語だとpitch tracking?)。
 いつかは書こうと思ってたのですが、ようやく書く気になったそのきっかけがDTMステーションのこの記事。
 ギターや声でシンセが弾ける、Audio MIDI Connect – 藤本健の“DTMステーション”はてなブックマーク - ギターや声でシンセが弾ける、Audio MIDI Connect - 藤本健の“DTMステーション”
 ここで詳解されているのが、Audio MIDI Connectというアプリ。

 とっても安いんだけど、レイテンシが大きいとか、Virtual MIDIを使う面倒があるとか、いろいろ問題がありそう(85円で安いと思ってたらセールが終わってますね)。
 っていうか、そんなのThumbJamならもっとカンタンだし、レイテンシも少ないよ! というのがこのエントリの趣旨。

ThumbJamって何?

 ThumbJamはiOSデバイスならではの奏法が魅力の音楽アプリ。画面のタッチでピッチを、タッチした指を動かすことでビブラートを、本体を傾けて音量を、ってな具合。
 このアプリを知るきっかけとなったのが、「iPhone/iPad楽器アプリ「ThumbJam」を使ったハイクオリティな室内楽団!「DigiEnsemble」 | iPhone・iPad Music App blog~音楽アプリ・楽器アプリのレビューブログ~はてなブックマーク - iPhone/iPad楽器アプリ「ThumbJam」を使ったハイクオリティな室内楽団!「DigiEnsemble」 | iPhone・iPad Music App blog~音楽アプリ・楽器アプリのレビューブログ~」で紹介されていたビデオ。これ見るのが手っ取り早い。


 内蔵音色はストリングスはじめ、ギターやピアノ、打楽器などけっこう豊富に揃っている。なかなか魅力的でしょ?

ThumbJamを音声入力で鳴らす

 で、画面のタッチじゃなくて、オーディオ入力、すなわちiOSデバイスのマイクとか、オーディオインターフェイスからの音声で鳴らす方法。これがまた、カンタン。
Settingthumbjam
 上の画面にあるアイコン(マイクと音符)をタップするだけ(タップすると右の設定が出てくるけど、とりあえずそのままでOK)。マイク入力の場合はヘッドフォンしないといけない(出た音が拾われてぐしゃぐしゃな音が出る。それはそれでおもしろいけど)
 歌に自信がないので、もっぱらMobile In経由でギターを鳴らすんですが、さほどレイテンシは気にならないレベル(少なくとも100msなんてことはないはず)。いや、ギターがちゃんと弾ける人なら、使えないよ! ってことになるかもですが。

PCのソフトシンセだって鳴らせるよ!

 さらにすごいのが、ThumbJamは、無線LAN(Wi-Fi)経由でMIDI信号を飛ばせること。
 Windowsマシンなら、rtpMIDIっていう仮想MIDIドライバみたいなアプリを入れれば、 WindowsのDAWソフトに立ち上げたソフトシンセが鳴らせるんですよ! 詳しくは以下から。
テクニック集 – 音楽アプリ for iOS – livedoor Wiki(ウィキ)はてなブックマーク - テクニック集 - 音楽アプリ for iOS - livedoor Wiki(ウィキ)
 MacはOS Xの機能でそのまんまいけるみたいですよ。
 とりあえず、当方はWindowsのSONARで試したりしてます。
 設定は、「Prefs」の「MIDI」から。
 「MIDI General Options」の「User CoreMidi」、「Enable Network Session」をONに。下のほうにある「MIDI Output Connection」の「Network Session」をONすればOK。
Settingthumbjammidi
 こちらも設定はカンタン。ということで、SONAR側はrtpMIDIといっしょにキャプチャしてみました。
Sonarrtp
 で、この場合の結果ですが。
 ThumbJamの鍵盤を弾くぶんには、Wi-Fiで鳴らすのもさほどレイテンシが気にならなかったんです。
 でも、pitch to MIDIを使って、ギター→ThumbJam→Wi-Fi→SONARってすると、何重にもレイテンシが加わるためか、かなり遅れが気になります。まあ、音程を入力するためと割り切れば使えないことはないと思います。
 ギターシンセっていうと、すんごい高いんですが、ThumbJamなら600円ですよ。まあ、ギターをiOSデバイスにつなぐインターフェイスも必要になりますが、それも2000円くらいからありますしね。安いです。
 ということで、ThumbJam、オススメ!


(追記)
 外部入力からpitch to MIDIしたい場合は、Scales(スケール)の指定で「Chromatic」を選択してください。そうしないと、鳴るはずの音が鳴らない!とか、検出精度が低い!なんて勘違いをするはめになります。また、初期設定ではChange Instrumentsで楽器を変える際にスケールも同時に変わってしまう設定になってるので、Select Presetの一番下にあるKeep Current Scale/KeyをONにしておくのも忘れずに。
(追記終わり)
 「もっとシンセサイズとかちゃんとやりたいんだけど」っていう人には、こちらがオススメ。

 当ブログでも以前とりあげてます。
iPadをギターシンセに! SHREDDER – Synth for Guitar 登場はてなブックマーク - iPadをギターシンセに! SHREDDER - Synth for Guitar 登場: point of view point
 当時からバージョンアップして、スケールの指定とか、1ノートでコードを鳴らすなんてことも可能になってます。ギタリストならこちらも要チェックです。
 なお、例によってiOSアプリのリンク作成にはこれ使ってます。
 Sticky iTunes Link Maker – iTunes リンク作成ツールはてなブックマーク - Sticky iTunes Link Maker - iTunes リンク作成ツール
 こちらもよろしくお願いしまーす。

コメント

  1. ギターシンセアプリの本命? 和音もOKなpith to MIDIアプリ、その名もMIDI Guitar

     ギターの音でシンセを鳴らす、いわゆるギターシンセ。iOSアプリにもいろいろ出てますが、今度のは和音もOK(ポリフォニックですよ!)。名前もド直球な「MIDI Guitar」です。  「MIDI Guitar」は入力されたギターの音をMIDIに変換。内蔵のシンセで鳴らしてくれます。しかも単音だけでなく、和音もOK。コードストロークなんかもちゃんと鳴るんですよ、これが。  画面はいたってシンプル。INPUT LEVELのインジケーターとか、認識したノートを表示する下部のエリア(オクターブ違いは表示だけ…

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