iPad版QY? ヤマハが割りと本格的なシーケンスソフトMobile Music Sequencerリリース! 今なら半額

 ヤマハがiPad用にシーケンサーを出しました。豊富な音色に加え、パターンも内蔵。コード指定でパターンを鳴らせるなんてところは、まさに懐かしのQYシリーズを思い出させてくれます。曲のスケッチづくりには非常に便利なソフトウェアっていう感じです。でもって、デモソングはなんと浅倉大介さんですよ!

 まずは、公式へのリンク。
Mobile Music Sequencer – スマートデバイスアプリケーション – ヤマハ株式会社はてなブックマーク - Mobile Music Sequencer - スマートデバイスアプリケーション - ヤマハ株式会社
場所を選ばず曲のイメージをスケッチ、感覚的に楽曲制作が可能 iPad向けアプリケーション『Mobile Music Sequencer』 – ニュースリリース – ヤマハ株式会社はてなブックマーク - 場所を選ばず曲のイメージをスケッチ、感覚的に楽曲制作が可能 iPad向けアプリケーション『Mobile Music Sequencer』 - ニュースリリース - ヤマハ株式会社
 パートごとにフレーズ作って、セクションを構成。セクション単位でコードを指定、それをソングに並べる、みたいな感じ。作業に沿ったボタンが左側に並んでます。まずはこの仕組みを理解しないとけない。
01phrase
 最初の画面(PHRASE VIEW/フレーズビュー)は一見Ableton Liveのよう。セルみたいなやつがフレーズ。ここには内蔵のフレーズを割り当てることもできるし、自身で演奏したり、ピアノロールで打ち込んだりすることも可能。各セルは縦で一括して切り替えもできるし、セル個々に切り替えもOK。こういう感じでセルを仕込んでおいて、リアルタイムにON/OFFするとダンスものにはそれだけでOKって気にもなったり。SONARのマトリックス・ビューにも近い感じですかね。
 セルは縦横に並ぶのだけど、縦がセクション。たとえば、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビみたいな感じ。小節数も個別に指定可能。
 パートごとに音色も選択できるのですが、選択したありものフレーズによって自動的に変更することも可能(そういうテンプレートがあった。このへんは同じヤマハのSynth Arp & Drum Padっぽい)。
02phraseselect
 割り当てるフレーズはSELECTで選択。ジャンル分けされずにずらっと並ぶだけなのがちょっと見にくい。名前で判断するだけでなく、色変えるとか、カテゴリごとに線を引くとかしてくれるともっと見通しがよくなりそうではあります。
03chord
 イントロは4小節、Aメロ、Bメロは8小節、サビは16小節、みたいな感じでセクションを設定(SECTION EDITのOTHERで)。セクションにはコード進行を指定することが可能(SECTION EDITのCHORDで)。
 フレーズをパートごとに縦に並べていくわけですが、セクションのコード進行に従って全パートが移調とかをしてくれます(移調するだけでなく、7thでもsus4でもしっかり指定どおりに鳴る。元フレーズがMIDIデータだからできる技)。GarageBandはパートごとにコードを押さえてリアルタイム録音していかなかったことを考えると、こちらのほうがすんごく楽。一部だけコードを変えたい場合に、もう一度録音し直すなんて面倒はなし。指定し直すだけでOKなんですよ。このへんがまさにQY。
04song
 でもって、セクションをいくつか作ったら、それをSONG画面で並べていきます。こちらは一般的なDAWっぽい画面なんですが、すでにセクションが作ってあるので、骨格はすぐでいる感じ。セクションの繰り返しなんかも楽にできます。画面下にさっき作ったセクションが並ぶので、それをタイムラインにドラッグしていけばOK。
05pianoroll
 もちろん、ここで鍵盤を出してリアルタイム録音することも可能。ピアノロールでもOKです。セクションでバッキング作っておいて、ソロはリアルタイムで、みたいなのも対応できるというわけですね。
 フレーズビューとソングの関係がちょっとわかりにくかったのですが、ここで思い出したのが、XGworksとかSOL。内蔵パターンとコード指定で作ったバッキングを、シーケンスに展開っていうのがあったこと思うんですが、そういう感じです。ソングに展開したデータをさらにピアノロールでエディットしていくこともできるっていうところとかが。
 できた曲はSMFでエクスポート可能。ヤマハのシンセ、MOTIF XFとかMOXとか用のデータもエクスポートできます。ファイルのやりとりにはiTunesのファイル共有を使うみたい(まだ試してない)。
 さらにオーディオデータとしてミックス・ダウンも可能。これには、ミックスダウンボタン押して、シーケンスを再生、リアルタイムにレンダリングしていくというもの。出来上がったファイルは本体内ライブラリに登録され、いつでも再生可能。さらにSoundCloudへのタップロードまでこなしてくれます。
 ほかのアプリとの連携はちょっとわかんないんですが、内蔵マニュアルにはsonomaのAudioCopy/AudioPasteのライセンスみたいなのが書いてありました。それ以外の記載はないんで、できるのかどうかは不明。
(追記)
 MIX DOWNするとAUDIO LIBRARYに入るので、そこからCopy AudioってやるとAudioCopyいけます。
(追記終わり)
 あと、パターンは別売りでも用意。Dance Pop、Electronic、Hip Hop、R&Bの各パックがあります。これを購入しない状態でも、フレーズセレクトのカテゴリにカテゴリ名として表示される(グレーアウトして選択できない)のは、激しく視認性を低くしてるんですが、どうなんすかね、これ。
 それからフレーズビューのセルのコピーなんですが、セルの上半分をタップすることで、コピーとかの選択肢が出ます。最初はこれがわからず、再生が始まったり、何度もタップしているうちに突然メニューが出たりとかして、「どういう仕組みだ!」と泣きそうになりました。わかってしまえば、なんとかなるものです。まあ、マニュアルにはちゃんと書いてあるんですけどね。このマニュアルもちょっとわかりにくかったです。
 まあ、そんなこんなで、現在発売記念プライスで半額850円(2月末まで)となれば、買わずにいられないと思うんですがどうでしょう。特に、GarageBandのスマートなんちゃらは便利だけど、QYっぽくコード変更が楽になる機能があればなあ、と思ってた人にはとってもいいんじゃないかと思います。操作を把握するのがGarageBandよりも大変ですけど(そのへんはAppleすげーなと思いました)。


 あと、オーディオ録音はできません。そのへんはCubasis買えってことなんでしょう。Cubasisは全パート自分で録音したり打ち込んだりしなくちゃなりませんけど、こういう簡単バッキング機能が付いたらもっと買う人が増えそうですけど、どうなんですかね。

 あと、このMobile Music Sequencer。内蔵パターンとか仕組みは、一部前述のSynth Arp & Drum Padから持ってきてるんじゃないですかね。開発は同じ部署っぽい。ただ、アルペジエイターとか、スケール指定での演奏とかは、Mobile Music Sequencerにはないっぽいです。それも欲しかったんだけどなあ。まあ、そのへんはバージョンアップでなんとかしてくれるんじゃないかと期待してます。

 機能が思いの外多いので、まだチェックしきれてないところもあるんですが、とりあえず、ファーストインプレッションってことで。


 この動画もわかりやすいです。まずはこれ見て操作と機能を把握したほうがいいです。
(追記 1月25日)
 「iPad版QY」なんていう表現はヤマハは使ってほしくないかもなあ、と思ってたら、使ってましたね。
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